先日開催されました第三回福島市古関裕而作曲コンクール本選会にて「ソーダの泡が空へ弾けるとき」が1位を受賞いたしました。応援くださった皆さまありがとうございました。
全曲の動画公開に先駆けて、速報版として演奏動画が公開されましたのでぜひご覧ください。
ソーダの泡が空へ弾けるとき/Sparkles, Bubbles and Fizz for Wind Ensemble
2026年1月25日
ふくしん夢の音楽堂 大ホール
飯森範親指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ
演奏をご希望される方につきましては、今回のコンクールを運営なさっている東京コンサーツさまが窓口となっておりますので、ぜひこちらにご連絡いただければと思います。
kosekiyuji_composition@tokyo-concerts.co.jp
また本楽曲は全音楽譜出版社さまから出版が予定されております。これから校正作業に入りますが、より多くの方に取り上げていただけるよう準備したいと思います。
ニュース記事のインタビューでもいくつか曲について触れましたが、正式なライナーノーツに先駆けて簡単に曲のご紹介をできればと思います。
以下、当日のプログラムに掲載された楽曲紹介です。
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色とりどりに光を乱反射するフルーツパンチ、レトロな喫茶店で飲む昔ながらのクリームソーダ、アウトドアで乾いた身体に流し込むサイダー…炭酸飲料には風景や物語を喚び起こす魅力があるように思います
この曲はそんな「ソーダとともにある風景」をイメージし、日々の遊びや語らいのごとく即興的に書き進めました。途中にひょっこり顔を出すジャズの要素もお楽しみください
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以上の通り、本楽曲は表題音楽ではあるのですが、細かいストーリーというよりはざっくりとした場面ごとのイメージで作曲されています。
Gently(0:00~2:21):フルーツパンチのカラフルさ、喫茶店もしくはカフェで語らう2人
Waltz(2:21~3:47):クリームソーダ、レトロな喫茶店、弾ける泡と色のコントラストに子供がワクワクしている
間奏(3:47~4:28):なんとこの部分が一番最後(〆切当日)に作られました。後付けで夜のカクテルバー…が浮かびつつも、やはり全年齢向けの楽曲にしたいと思ったのでやめました。思い思いに聴いて頂ければと思います。個人的に一番気に入っている部分です
Lively(4:28~):サイダー、コーラ、エールetc、スポーツやアウトドア中にキーンと冷えた炭酸飲料を流し込んでいる
といったイメージです。飲み物自体の描写というよりも、その飲料を飲んでいるシチュエーションや空気感を想像して書きました。中高の頃、皆がサイダーやアンバサ片手におしゃべりしていた光景をたまに思い出すのですが、そういった郷愁も曲に現れているかもしれません。
ジャズの影響が強い本楽曲ですが、ドラムのシンバルレガートやウォーキング/ランニングベースといった特徴的な部分は実は少なめです。これはジャズの要素それ自体を楽曲の目的にするのではなく、あくまで楽曲構成の手段として用いたいという意図によるものです。
その一方で、本楽曲のハーモニー・ボイシングは全編通してジャズ、特にビッグバンドやジャズピアノの技法を多く使っています。込み入った話で恐縮ですが、冒頭からFのルート音の上で、Am7のDrop2ボイシングに沿ったアルペジオとなっていたり、ワルツ部分(2:39~)のcup muteもメロディーをオクターブで重ねるオーソドックスな5-note voicingだったりと、普段ビッグバンドを書く際の手法を多く持ち込んでいます。演奏に際して工夫や慣れが必要な場合もあるかとは思いますが、普段とひと味違ったサウンド感をお楽しみ頂けるとうれしいです。
最後に受賞のご挨拶です。
プロフィールに書いてあるとおり作曲は独学ですがけっして独力ではなく、演奏者、そしてリスナーの方々からのフィードバックに学ぶことで今日まで続けてこられたのだと思います。また、自分が脳内でイメージした音がカタチになる楽しさ・喜びを若い頃に体感できたことが、いまでも作曲の原動力になっています。
作るものこそだいぶ変わりましたが、Printmusic 2001で見よう見まねのスコアを鳴らして遊んでいた自分と、飯森先生・シエナの皆様の実演を聴いて興奮している自分と、20数年経っても本質はあまり変わっていないのかもしれません。
あらためて、未熟な(そして奏者に多大な負担をかける)スコアを演奏してくれた中高吹奏楽部の同輩、およびビッグバンド界隈の皆様、卒業以降に仕事として作編曲を依頼頂いた皆様、日々一緒に演奏してくださっているプレイヤーの皆様、そして音楽を通じてお世話になっている全ての方々に感謝申し上げます。
これからもフットワーク軽く、いろいろな曲を書いていこうと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

↑最初のタイトルは「サイダーの泡が空へはじける時」でした